2025年6月14日放送の「満天☆青空レストラン」では、東京の“奥座敷”・奥多摩で育つ希少食材「奥多摩わさび」が取り上げられ、女優の山本美月さんがゲストとして登場しました。
舞台となったのは、多摩川源流近くの清流に囲まれた標高の高いわさび田。
番組は、江戸時代には将軍家にも献上された伝統的な本わさびの魅力を、美月さんのリアクションを交えながら丁寧に伝えました 。
清流と格子状の畳石、湧き水による自然水温管理という“地沢式栽培”によって育った奥多摩わさびは、透明感ある辛味と鼻腔に広がる爽快な香りが特徴です。
山本美月さん自身、収穫体験で手ですくう沢水に感激し、「これまで味わったことのない深いコク」とその場でコメント。
すりたてを使った「わさび丼」や「豚のわさび焼き」といった創作料理を味わい、口元を思わずほころばせるシーンは、視聴者の心にも強く響いたでしょう。
さらに番組では、地域再生への取り組みも紹介。
若手農家「わさびブラザーズ」による廃耕田の復活プロジェクトや、収穫体験と連動した“わさび食堂”“トラックカフェ”など、観光と一次産業が融合する新たなチャレンジも取り上げられました。
その姿は、東京の秘境に息づく地域文化の再評価にもつながっています。
この記事では、番組の放送内容はもちろん、実際に訪れる・購入する・自宅で再現するための最新情報も網羅。
生まれ育つ背景から栽培方法、味わい方、購入＆体験情報、さらに今後の注目ポイントまで、山本美月さんと巡る「奥多摩わさび」のすべてをまとめました。
忙しい日常の合間に立ち止まりたい方、食を通して自然や地域とつながりたい方にとって、この記事が新たな一歩のきっかけになれば幸いです。
満天☆青空レストラン放送内容（番組ハイライト）
奥多摩わさびとは何か？
番組で紹介された「奥多摩わさび」は、澄んだ山間の渓流水をそのまま利用する栽培方法で知られています。
砂礫より一回り大きい石を敷いた専用の畑で、種まきから収穫まで約2年かけて育てられ、年間を通して12～16℃の水温管理が行われています。
この方法により、鼻に抜ける爽やかな辛味と深い旨みを持つアリルイソチオシアネートを豊富に含んだクリアな風味が実現されています。
また、抗菌・抗酸化作用の高い成分も多く含まれ、“江戸東京野菜”として高い評価を受けています。
これらの特徴は、料理に使うと雑味なく香りが際立ち、さまざまな味わいを底上げすると番組内でも強調されていました。
山本美月の収穫体験シーン
ゲスト出演した山本美月さんは、まずオープンロケのわさび田に足を踏み入れ、畑から株を掘り出す作業を実践。
「これまで味わったことのない深いコクがある」とリアルな感想を口にし、その瞬間の驚きは視聴者にも伝わるものでした。
また、すりおろした直後のわさびを試食した際の鮮烈な香りと辛味に、思わず笑顔でうなずくシーンも放送。
天然水を手ですくいながら「水が澄んでいて冷たい」と感想を述べるなど、現地の空気や空間を積極的に楽しむ様子が視聴者の共感を呼びました。
料理メニュー紹介
番組では、奥多摩わさびを用いた多彩な料理がフルコース形式で紹介されました。まずは基本の「わさび丼」。
これは炊き立てご飯にすりたてのわさび、そしてかつお節と醤油をかけるシンプルながら奥深い一品で、山本さんも「素材の良さが際立つ」と絶賛していました。
続いて「豚のわさび焼き」、さらに「鶏のみぞれ煮」は大根おろしとの組み合わせでやさしい辛味のアクセントに。
驚きのデザートとして「わさびチーズケーキ」、さらには「わさびドッグ」と「わさびマッシュポテト」まで登場し、辛味や香りをさまざまな形で楽しむバリエーションに出演者全員が目を輝かせていました。
わさびの科学と歴史
奥多摩式栽培法のこだわり
奥多摩のわさび栽培は、澄んだ沢の流水をそのまま引き込む「地沢式（棚田式）」が特徴です。
標高500～1,150mの清流沿いに畳石状に段階を作り、通年で気温8〜18℃、水温6〜15℃を維持。
水温が16℃超えると酸素量が減るため、冷涼な湧水と沢水の活用は欠かせません。
また、わさび田は砂礫のバランスに配慮し、流速15〜20cm/sec、水深や勾配も厳密に設計することで、クリアな辛味と深いうまみを引き出しています。
この徹底した自然との共生栽培こそが、奥多摩わさびの高品質な個性を育んでいます。
わさびの遺伝子と山根京子准教授の解説
岐阜大学の山根京子准教授によれば、日本の本ワサビ（Eutrema japonicum）は、わずか数種類の「親株」から品種改良され、その希少性と遺伝的多様性の低さが特徴です。
これが現代の独特な辛味と香りを醸成し、さらにわさびが自然の厳しい環境を生き抜く過程で抗菌・抗酸化などの成分を蓄えた結果、味わい深さの源になっているという指摘もあります。
つまり、わさびのテロワールは遺伝的背景と自然条件の複合的成果であり、山根准教授はその科学的価値を高く評価しています。
奥多摩わさびの歴史と現在
奥多摩わさびの歴史は古く、江戸時代から武蔵国の特産品として神田青物市場へ出荷され、将軍家への献上記録も存在します。
明治末期には台風によって壊滅状態に陥った時期もありましたが、昭和30〜40年代には20ha規模まで回復し、東京都第二位の生産地へと復興していきました。
現在は栽培農家の高齢化や気候変動による水温上昇の課題が浮上していますが、自然栽培やパイプ栽培、防虫ネットなどの技術を導入し、持続可能な生産体制を模索中です。
こうした歴史と革新の歩みが、奥多摩わさびの現在と未来を支えています。
購入・体験情報まとめ
おすすめ販売店「山城屋」
JR奥多摩駅から徒歩たった3分、「奥多摩わさび本舗 山城屋」は江戸時代末期から続く老舗で、生わさびや加工品が揃う専門店です。
最新情報によると、2025年4月から季節限定の「わさび醤油漬け」が再販され、ネット通販でも人気が高くすぐ完売するほど注目されています。
価格帯は生わさびが約1,000円（税込）、わさび漬け類は500～1,400円（税込）で、試食してから購入できるスタイルが好評。
お店のご主人が気軽に栽培や調理のアドバイスをくれるため、観光客にも安心して選べる点が口コミでも高評価です。
体験ツアー詳細（TOKYO WASABI）
「TOKYO WASABI EXPERIENCE」が提供するわさび体験ツアーは、奥多摩の自然と伝統を一日で味わえる贅沢プログラムです。
1日1組限定のこの体験は、現役のわさび農家「わさびブラザーズ」がガイドを務め、午前中の収穫から川沿いの散策、すりたて試食までを含む充実内容。
ツアー料金は日本在住者の場合11,500円（税込）、長靴レンタル付き。
限定感とプライベートな自然体験が組み合わさり、参加者からは「まるで秘境の冒険」と評されています。
集合場所は青梅市御岳の拠点で、川のせせらぎを聞きながらゆったり開始されます。
奥多摩観光と合わせて訪れたいスポット
奥多摩町は、わさび体験だけでなく夏でも涼しく、自然遊びや歴史スポットが多数あります。
わさび田を巡った後は、多摩川源流近くの清流でリフレッシュが楽しめます。
また、近隣には日原鍾乳洞や三頭山ハイキング、さらに奥多摩温泉も点在し、一日観光ルートとして最適です。
体験後に駅前の「わさび食堂」で、わさび丼やわさび風味のコーヒーを味わうのも人気で、ツアー参加者の満足度を高めています。
自宅で再現！簡単絶品アレンジレシピ
本格わさび丼の作り方
奥多摩現地でも教わる基本のわさび丼は、洗った本わさびを鮫皮おろしで丁寧にすりおろすことで、清涼感と辛味が最大限に立ち上がります。
茎側からゆっくり円を描くようにすりおろし、ふんわり緑色のクリーミーなペースト状態になったら、ご飯にのせ、鰹節をたっぷり散らして醤油を回し掛けて完成。
時間が経つと香りが飛ぶため、すりおろしてから1‑2分以内に食べるのが風味を楽しむコツです。
わさび本来の香りが際立ち、自宅でも“現地の香り”が感じられる一杯になります。
料理を格上げ！鮫皮おろしの使い方
鮫皮おろしを使うと、目の細かさで細胞が壊れやすくなり、風味と辛味が劇的にアップします。
おろすときは、力を入れず「の」の字をなぞるように回すのがポイントで、これにより繊維がつぶれすぎず、香りが豊かに残ります。
また、すり終えた後、5分ほど置いて辛味が整ってから食べるとまろやかで深い旨みが広がります。
鮫皮おろしを使わずとも、目の細かい薬味おろしでも代替でOKなので、キッチンに一つあるとさまざまなわさび料理が本格的に仕上がります。
アレンジメニュー紹介
奥多摩のわさびを自宅で楽しむには、定番のわさび丼以外にも多彩な応用レシピがあります。
例えば、「わさびじゃこチャーハン」は、細かく刻んだわさびの茎や葉、じゃこをバターで炒め、ご飯を加えて醤油で風味付けするだけ。
香りと塩味が絶妙に絡み、ご飯が進む一品です。
さらに、マグロとアボカドを使ったわさびドレッシング和えは、すりわさびにオリーブ油・酢・醤油を混ぜたドレッシングで素材を和えるだけで爽やかに仕上がり、テーブル映えも◎。
以上のように、和風にも洋風にも使いやすい奥多摩わさびの応用力と香り豊かな味わいを、自宅でも気軽に楽しめます。
奥多摩×わさび文化の魅力と未来
地域復興への希望
近年、奥多摩では耕作放棄されたわさび田の再生に向けた動きが活発化しています。
特に「Okutama Wasabi Revival」の取り組みでは、廃耕田だった大丹波地区で畳石を積み直し、湧水を引き込み、鹿害対策のネット設置まで含む復興プロジェクトが継続中です。
2025年5月時点では、第21回の報告で「2年越しの再生」が成功し、苗の定植、土壌の整備が順調に進んでいることが記録されています。
こうした地元農家や支援者たちによる地道な努力により、かつては荒廃していたわさび田が再び生命力をまとっており、地域の活力復活に深く寄与しています。
肉料理とわさびの相性の科学
わさびはその鋭い辛味と清涼感により、脂の多い肉料理によく合うことが科学的にも認められています。
農林水産省のレシピ集にも取り上げられた「TOKYO‑X巻き」は、脂の乗った東京ブランド豚「TOKYO‑X」と刻みわさびを巻き合わせて焼く一品で、2011年に最優秀賞を受賞した郷土料理。
また、食品系ウェブ記事では、わさびが肉脂の重さを感じさせず、口内をリセットして食欲を促進する効果があると紹介されています。
番組でも「豚のわさび焼き」「鶏のみぞれ煮」などが登場し、わさびの辛味と香りが肉の旨みを引き立てる組み合わせとして強調されました。
「わさびブラザーズ」の挑戦
奥多摩で「わさびブラザーズ」として知られる角井仁・竜也兄弟は、東京・横須賀出身ながら奥多摩でのわさび文化に惚れ込み移住。
2020年からわさび田の修復、観光体験、加工品販売を手がけています。
2024年10月には都知事と面会し、彼らの活動が地域への移住誘致や観光振興にも役立っていると評価されました。
また、彼らは「世界に通用する食材」としてわさびを広めたいと語っており、2024年夏にはわさび田でのフェス開催を試みながらも延期となっていますが、今後もイベント開催によって認知拡大を図る意向です 。
今後の注目ポイント
奥多摩わさびの未来には複数の潮目があります。
まず、高齢化による農家減少や2019年の台風被害といった課題を乗り越えるため、耕作放棄地の再生や技術的な栽培支援が重要視されています。
次に「わさびブラザーズ」らによる体験ツアーや食堂、キッチンカーの活動で、観光と地元産業の融合が進行中。
さらに海外からの興味も高まりつつあり、「スペインから輸入」の相談が持ち上がるなど、国際展開の兆しも見られています。
こうして地域振興・文化継承・国際発信が一体となる奥多摩わさびは、今後ますます注目される存在です。
まとめ
2025年6月14日放送の「満天☆青空レストラン」で、山本美月さんと宮川大輔さんが取り上げたのは、東京・奥多摩が誇る伝統食材「奥多摩わさび」です。
番組では、江戸時代からの歴史を持つこのわさびが持つ清涼感と深い旨みを実際に収穫しながら紹介し、わさび田の高品質栽培法と、わさびブラザーズによる地域再生への取り組みが詳しく伝えられました。
山本美月さんは収穫体験を通じてすりたてわさびの香りと辛味に感動し、「これまで味わったことのない深いコク」とリアルな感想を口に。
番組では、わさび丼をはじめ、肉料理にぴったりの「豚のわさび焼き」「鶏のみぞれ煮」、さらには「わさびチーズケーキ」「わさびドッグ」「わさびマッシュポテト」など、創作フルコースが次々と登場し、わさびの多彩な可能性を強調しました。
現地の見どころとしては、わさび田のすぐ傍らを流れる清流が心地よく、わさび農家の高齢化や2019年の台風被害にもめげず、若手農家が廃耕田を復活させ、地域文化と経済をつなぐチャレンジが続けられています。
体験・購入情報としては、JR奥多摩駅すぐの「山城屋」で生わさびやわさび漬けが手に入るほか、わさびブラザーズ主催の体験ツアー「TOKYO WASABI EXPERIENCE」では収穫からすりおろし試食まで満喫でき、2025年春から再開した“わさび食堂”や今後予定されていた「わさびフェス」など、地域発信の拠点も次々と登場しています。
この番組をきっかけに、奥多摩わさびは香り・辛味の魅力だけでなく、地域の復興や若手農家の挑戦という背景も含めて大いに注目されています。
今後も体験や購入を通じて“東京の秘境”で育まれるこの伝統を応援しながら、ぜひ自宅でも番組で紹介されたわさび料理を再現して、香り豊かな奥多摩の恵みを味わってみてください。
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