【世界まる見え!テレビ特捜部】衝撃のベトナム・モン族の風習「嫁さらい」14歳少女の決断とは?

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【世界まる見え!テレビ特捜部】衝撃のベトナム・モン族の風習「嫁さらい」14歳少女の決断とは?

「世界まる見え!テレビ特捜部」は、2025年6月9日放送の「世界のTVで見つけた日本!2時間SP」で、ベトナム北部の山奥に今も残る“嫁さらい”の驚きの実態を特集しました。

番組ではモン族という少数民族の14歳の少女ジーが春節の祭りをきっかけに「嫁さらい」に巻き込まれ、彼女や家族が苦悶しながら状況へ立ち向かう姿が、スタジオで所ジョージさんやビートたけしさんらゲストとともに紹介されました。

この“嫁さらい”は、かつて「儀礼や若者の通過儀礼」として行われていたものが、近年ではSNSの普及や経済的変化の中で実質的な誘拐婚へと様変わりしつつあります。

14歳の少女が自らを守ろうと葛藤する様子は、伝統と現代価値観の衝突を如実に示すものであり、視聴者に大きな衝撃と疑問を投げかけました。

この記事では、「世界まる見え!テレビ特捜部 ベトナムの風習『嫁さらい』」の放送内容を深掘りし、

  • 伝統的な“嫁さらい”文化の本来の意義
  • 少数民族コミュニティの内側で何が起きているのか
  • テクノロジーの影響による構図の変化
  • 視聴者一人ひとりに問いかける現代的価値観とのバランス

などを、事実に沿って豊富な情報とともに整理し、読者の知的好奇心と理解を満たす構成でお届けします。

また、ジーを主人公とするドキュメンタリー『霧の中の子どもたち』とも関連させながら、現地のリアルな声と背景に寄り添って報じていきます。

日本のテレビが初めて深く掘り下げたこのテーマを、あなたと一緒に読み解いていきたいと思います。

目次

“嫁さらい”とは何か?その起源と特徴

“嫁さらい”とは何か?その起源と特徴

モン族の伝統的結婚制度の一つとしての位置づけ

モン族(H’mong)は、ベトナム北西部を中心に暮らす少数民族で、彼らの婚姻文化には「嫁さらい(zij poj niam)」という風習が長く根付いてきました。

これは、単なる娯楽ではなく、伝統的な結婚制度の一部であり、経済的に裕福でない若者でも結婚の機会を得るための仕組みとも言えます。

この風習は、自立心や勇ましさといった価値を重んじるモン族社会において、若者の結婚適齢の証でもありました。

また、「zij」は象徴的な儀礼とはいえ、ギフトを贈り、それに続いて共に過ごす中で正式な婚約へとつながる意図も秘めていました。

「嫁さらいごっこ」から実際の誘拐までの流れ

かつては祭りや春節の場で、軽い遊びとして行われていた「嫁さらいごっこ」。

しかし近年では、冗談のつもりで始まったはずが、偽装された行為では済まない深刻な誘拐事件へとエスカレートするケースが増加しています。

例えば14歳の少女が祭りで出会った青年に「同行を強要される形」で連れ去られる事例も報告されており、モン族の伝統は深刻な人権問題に変質しつつあります。

4つの“嫁さらい”形態とその社会的意味

嫁さらいには、大きく分けて4つの形が存在すると人権視点や文化研究の文脈で整理されています。

  • 象徴的zij:夫婦になる意志が共有されており、ギフトと短時間の同行を経て婚約に至る儀礼的な行動。
  • 同意型連れ去り:少女も連れ去りプロセスを了承し、その後結婚に至るケース。
  • 半強制型:親の同意や少女の意思が不明瞭ながら、慣習に従って行われるケース。
  • 強引な誘拐婚:少女の意志や親の同意を完全に無視し、逃走や暴力を伴う深刻な誘拐。

   特に近年では、法的に禁止されているにもかかわらず、後者2つが問題視されており、教育や地方行政の対応が求められています。

番組密着:14歳少女の葛藤と家族問題

番組密着:14歳少女の葛藤と家族問題

強制ではなく“同意”か?付き合いから誘拐まで

北ベトナム山間部のある村で、14歳の少女ジー(ドキュメンタリー中では匿名)が青年ヴァンと出会い、SNSを通じて関係を築いた後、彼によって「嫁さらい」に巻き込まれました。

カメラは、彼女が最初に軽い付き合いの延長として受け入れたはずが、次第に自分の意志や将来のビジョンを無視されていく様子を捉えています。

ジー自身は勉強を続け、夢を持つ意志を示していたにもかかわらず、伝統に則った手順(SNSでやり取り→集落の祭り→自宅への同行)を経て事態はエスカレート。

もはや軽い同意とは言えない、半強制的な状況に追い込まれていきました。

学校や家族の関与と社会的対立

ドキュメンタリー「Children of the Mist」は、ジーの家族、特に母親や学校関係者が巻き込まれる様子を克明に描いています。

彼女を取り戻そうとする母親の試みは、モン族の“嫁さらい”のルール上、伝統を尊重する立場から親が口を挟めないというジレンマの中で行われました。

学校もまた複雑な役割を担い、教育機関としてジーの学業継続を支援しようと奔走しますが、地域社会の慣習や親族間の対立が障壁となり、問題の解決には多くの苦難が伴いました。

取材映像で見えたリアルな心理と葛藤

取材映像には、14歳ながら大人顔負けの言葉で自らの思いを語るジーの姿が映っています。

彼女は「学校に行きたい」「女性はもっと自由を持つべきだ」と明確に訴えています。

これに対し、彼を含む複数の大人たちは「嫁さらいはモン族の伝統」として続けるべきとの見解を示し、価値観の衝突が浮き彫りになっていました。

一方で、ジーの父親は飲酒癖から母親に家事や農作業の負担が掛かり、その影響がジー自身の将来観にも影を落としていました。

この状況で自立への意思を持ち続ける姿は、視聴者にも深い共感と衝撃を与えています。

ドキュメンタリー『霧の中の子どもたち』が描く真実

ドキュメンタリー『霧の中の子どもたち』が描く真実

3年間にわたる密着取材の成果

Hà Lệ Diễm監督は、ベトナム北部のモン族コミュニティに通いながら、計3年間の密着取材を重ねて『霧の中の子どもたち(原題:Children of the Mist)』を制作しました。

同コミュニティの生活を尊重しつつ、断片的な日常風景や、14歳の少女ジーの成長、そして彼女が切なる思いを抱えながら青春期を迎える過程を繊細に描いています。

撮影を通じて、ジーが学校での学びを重ね、家族内での立場や、コミュニティの伝統と現代価値観の葛藤に直面する様子が、じわりと浮かび上がってきます。

スマホとSNSがもたらす文化の変化

作品の中盤に描かれる重要な要素として、スマートフォンやSNSの影響があります。

ジーはFacebookのようなプラットフォームで同年代の少年とつながり、そこから軽い気持ちで遠出が発展し、「嫁さらい」へと転じました。

スマホによって外部世界との接点が生まれ、コミュニティ内部の「遊び感覚」が伝統行動へと変化していく様子が、取材映像から読み取れます。

このようなテクノロジーの普及は、少女や若者の意識・行動に、意思表現やリスクの両面から影響を与えていることがうかがえます。

人権問題としての視点と国際的評価

ドキュメンタリーは単なる民族文化の紹介にとどまらず、人権の観点からも鋭く切り込んでいます。

ジーを含む若い女性たちが強制的な行為や暴力的な関係に晒されるおそれがあり、性暴力や未成年婚の温床になりうる実態を映し出しています。

作品は2021年のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で監督賞などを受賞し、そののち2023年にはアメリカPBSのドキュメンタリーシリーズ「POV」で全米放送、オスカードキュメンタリー長編候補にも選出されました。

こうした経緯から、人権保護が不十分な少数民族地域で起きる問題として、国際社会の注目を集めています。

現在の“嫁さらい”の実態と社会的対応

現在の“嫁さらい”の実態と社会的対応

現代では激減、しかしごく一部に残存

ベトナム北部山岳地帯では、モン族内部でも嫁さらいが日常的に行われていた時代から、近年ではほぼ消滅に向かっています。

とくにムーカンチャイの地域では、従来の「軽い娯楽型や半強制の連れ去り」は過去のものとなり、現在では合意に基づく結婚のみが一般化しており、伝統的な嫁さらいの事例はめったに報告されません。

地域によっては、春節祭りの演出の一環として象徴的・儀礼的に再現されるケースもありますが、実質的な誘拐や強制 婚につながる行為は稀です。

社会的課題化と教育・人権の観点

ベトナム女性連合会やNGO、国際支援団体は、「嫁さらい」や児童婚防止を目的とした啓発・教育活動を積極的に展開しています。

モン族女性であるジー自身も、伝統に抗した取り組みの象徴として注目され、12省で少数民族女性・少女の人権意識向上を図るセミナーや資料が公開されています。

教育普及により、若い世代は「女性の選択の自由」や「学ぶ権利」を重視する意識に変化しており、こうした価値観が嫁さらいそのものの社会的許容の低下に繋がっています。

また、ワールド・ビジョンの教育支援プロジェクトも、童婚や伝統の強制を防ぐ役割を担っています。

北部山岳地帯では、ベトナム語教育や就学サポートを通じて、女の子が学校へ通い続ける環境が整えられ、結果として早婚の減少がみられています。

ベトナム国内および国際社会の反応

ドキュメンタリー『霧の中の子どもたち』が国際映画祭で高く評価されたことをきっかけに、ベトナム国内外で嫁さらいに対する関心が高まりました。

国内では、政府機関やNGOが共同で「同意に基づく結婚」への移行を呼びかける声明やガイドラインを配布し、単なる儀礼的慣習の誤解拡大に注意しつつ、児童婚の背景にある貧困や教育不足に焦点を当てています。

国際的には、UN機関や人権団体が少数民族女性の権利保護を促進する動きを強めており、強制婚や誘拐婚の温床となり得る慣習には厳しい批判が寄せられています。

一方で、文化的背景を尊重しつつ「女性の選択権」が優先されるべきとする姿勢が共有され、現地の文化と調和させた取り組みが評価されています。

まとめ

まとめ

ベトナム北部のモン族に伝わる「嫁さらい」は、もともと貧困緩和や若者の結婚機会を後押しする儀礼的文化から始まりましたが、ドキュメンタリー『霧の中の子どもたち』では、14歳の少女ジーが実際にそれに巻き込まれる様子が克明に記録されています。

取材を通じ、次のような現状が浮き彫りになりました。

  • 文化から誘拐へ進化
    スマホ・SNSの普及や地域社会の変化により、昔は象徴的だった儀礼がエスカレートし、実質的な半強制・誘拐婚に移行している現実があります。
  • 当事者の苦悩
    ジーは「学校に行きたい」「女性は自由であるべき」と発言し、自らの未来を切り拓こうとする意志を持ちながら、伝統との板挟みに苦しんでいました。
  • ドキュメンタリーの反響
    2022年以降、国際映画祭で数々の賞を獲得し、PBS「POV」などでも放映され、関心が国際的に拡大。
    これを契機に、文化や人権の観点で改めて議論が巻き起こっています。
  • 社会の対応
    ベトナム政府は児童婚・誘拐婚を禁止し、NGOや国連機関と連携して教育支援、デジタル啓発プログラムや女性権利向上キャンペーンを展開。
    特に山岳少数民族地域では教育普及が進みつつあります。
  • 今後の焦点
    「同意に基づく結婚」を地域文化の中で定着させ、教育・経済支援を強化しながら、若い女性たちが自らの人生を選択できる社会にしていく取り組みが求められています。

伝統か現代価値か、異文化理解と人権尊重の間で揺れ動くこの問題は、単に遠い国の話ではなく、日本を含むグローバル社会にも深い示唆を与えています。

少数民族の文化を軽んじすぎず、同時に少女たちが希望を持って生きることができる環境をどう提供するか――そこが、私たち視聴者や読者として考え続けるべき大切なテーマだと感じます。

最後に「世界まる見え!テレビ特捜部」の放送を通じて、視聴者一人ひとりが、この複雑な現実と向き合うきっかけになればと思います。

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