「火曜の良純孝太郎SP 軍艦島」は、石原良純さんが15年間にわたり変化を見つめてきた軍艦島の“今”を、貴重な映像とともにリアルに描き出すと同時に、小泉孝太郎さんとの初タッグによる解説、九州の世界文化遺産を2時間のヘリ旅で巡る、日本の歴史と文化を一度に楽しめる“知的旅バラエティ”です。
15年前は自由に立ち入れたエリアが、現在は風化対策で立ち入り禁止に変わった軍艦島。
その変遷を、当時の上陸映像や最新の現地調査映像と重ねることで、視聴者は島の“物語”に深く入り込むことができます。
さらに、ヘリから巡る三池炭鉱や八幡製鉄所など九州各地の遺産構成資産は、上空視点だからこそ伝わるスケールと歴史の繋がりが魅力的です。
番組では、石原さんが2010年に初めて端島に足を踏み入れたときの映像と、2025年現在の風化した住棟を比較。
そして小泉さんと宮川大輔さんとの掛け合いも交えつつ、「なぜ世界遺産登録されたのか」「保存の課題とは何か」といった本質的テーマにも迫ります。
さらに、長崎・五島列島では五島うどんや地魚を試食し、佐賀の伝統鍛冶や造船技術にも触れる構成が加わり、視聴者に旅の“現場感”を届けます。
歴史・産業・食文化・伝統技術を、カメラワークとMCの解説によって知的に散策するこの特別番組は、単なる映像鑑賞では終わらず、実際に現地を訪れたくなる好奇心と体感を視聴者に提供します。
軍艦島15年の“変化”を追う

2010年初訪問時の島内状況
2010年当時、石原良純さんは観光船から徒歩で端島(通称:軍艦島)に上陸。
屋内の住棟や階段、廃墟となった共同浴場など、居住当時の生活空間を直接見て歩くことができました。
壁に残るペンキやポスター、剥がれた壁紙など、かつての暮らしの息吹を感じ取れる貴重な記録として残されています。
良純さんは番組内で「長崎の歴史が一気に息づくようだった」と当時の印象を振り返っています。
進む立ち入り禁止区域と保護対策
2025年7月現在、島では風化や崩落の進行を受け、かつて自由に歩けた居住棟の内部や階段の多くが立ち入り禁止に。
隣接する要石や渡り廊下などのエリアもその対象です。
外周部にのみ通路が設けられ、専門家による点検・鉄骨補強・ネット設置などが進んでおり、観光客の安全を確保しつつ遺構を保護する措置が随時強化されています。
アーカイブ映像と最新映像の比較
番組では2010年開示映像と2025年の現在映像をフリップや分割画面で比較。
解体された外壁、床の崩落、階段の欠損など劣化の進行が視覚的に明示されます。
同時に、補修工事で鉄骨による支柱が挿入された箇所や、足場を組んで保全作業が行われている現場も映され、「世界遺産に見合う保存状態を維持する難しさ」がリアルに伝えられました。
MC石原良純×小泉孝太郎の“初タッグ解説”

良純さん視点で語る「島の魅力」
石原良純さんは軍艦島への再訪について「15年前に感じた、戦後高度成長期の記憶が今も強く息づいている」と話しています。
番組内では、特に炭鉱全盛期に建てられた住棟の巨大さや、当時の生活を垣間見せる共同浴場の構造など、「人々が暮らしていた痕跡」の価値を視聴者に分かりやすく解説。
崩れゆく廃墟が語る歴史に焦点を当てながら、「記録」ではなく「共感」を呼び起こす語り口が印象的です。
小泉孝太郎さんの進行と視聴者への橋渡し
小泉孝太郎さんはMCとして初タッグながら落ち着いた進行役を務め、「知的旅バラエティ」という企画の枠組みを視聴者に明確に伝えています。
番組冒頭では「この島がなぜ世界文化遺産か、15年の変遷と保全の課題を知ってほしい」と呼びかけ、良純さんの語りとの掛け合いを通じて、専門知識と感情のバランスを絶妙に取っています。
視聴者が番組に入り込みやすい構成となっているのは、小泉さんの立役者的存在感によるものと言えるでしょう。
ゲスト解説:ウエンツ瑛士&浮所飛貴らの反応
スタジオにはウエンツ瑛士さん、浮所飛貴さん、佐藤龍我さんらがゲスト出演。
ウエンツさんは映像を見ながら「廃墟の美しさと迫力を改めて感じた」とコメントし、浮所さんは「この景色、胸に来るものがあった」と若年層の視点で感想を述べました。
各ゲストのリアルな反応が、番組全体の「知的探求」だけでなく「感動共有」の側面を後押し。
視聴者も同じ気持ちを抱きやすい構成です。
九州世界文化遺産を“ヘリで一気巡り”

三池炭鉱・三池港の歴史的意義
番組では、福岡・熊本県境にまたがる三池炭鉱跡と三池港をヘリから俯瞰。
三池炭鉱は明治以降、日本の近代化を支えた重要なエネルギー拠点で、1910年代から1980年代まで稼働。
ヘリ映像では、当時の坑口跡や選炭場の遺構が広範に見て取れ、立地と規模をあらためて実感させます。
三池港はその炭鉱の石炭を国内外に輸出した港湾で、現在も歴史施設として整備されており、上空から見える運河や岸壁の配置が、当時の産業構造を物語っています。
この産業遺産は、1960年代以降の石炭需要減退と共に閉山した背景を背景に持ち、世界文化遺産・明治日本の産業革命遺産群の代表的構成資産です。
三重津海軍所跡〜佐賀の伝統技術を体験
番組の続いては佐賀の三重津海軍所跡へ。
ここは幕末期に設立された日本初の蒸気船修理施設跡で、西洋技術導入の象徴施設です。
ヘリから見下ろす修船ドック跡や土台、周囲の船渠などが視認でき、専門家が「日本海軍発祥の地」と位置づける由縁を解説。
さらにロケでは、佐賀の職人が伝える伝統鍛冶や金属加工技術にも密着し、過去に利用された工具や作業風景を取り上げて、歴史継承の現状にフォーカスしています。
旧集成館・八幡製鉄所など熊本・福岡ルート
ヘリ旅はさらに北上し、鹿児島・旧集成館エリア、福岡・八幡製鉄所、長崎・小菅修船場跡などを巡ります。
旧集成館(鹿児島)は西南戦争前に西洋技術を取り入れた反射炉群があり、ヘリから見える耐火レンガ構造などが技術史を語ります。
八幡製鉄所(北九州)は1901年創業、日本近代鉄鋼を牽引した現場で、その高炉群や構内鉄道跡が俯瞰映像で一望できます。
小菅修船場跡(長崎)は幕末期に蒸気船の修繕を担った施設で、石積みのドックが歴史的価値を今に留めています。
各構成資産を空から眺めることで、施設同士の地理的つながりや、幕末から昭和期までの日本の産業発展の流れが視覚で直感的に理解できる構成です。
食と文化が彩る“グルメ&技術”体験記

五島列島の絶品海鮮&五島うどん
番組では長崎・五島列島の港町にて、新鮮な海の幸がふんだんに盛られた海鮮丼や、あご(飛魚)出汁の効いた五島うどんを紹介。
漁港直送の地魚刺身が並ぶ市場を、石原良純さんと宮川大輔さんが巡ります。
視聴者に向けて、魚の旨味を逃さない旬の捕獲時期や、地元ならではの調理法まで丁寧に解説。
特に五島うどんは、独特のコシと細さに注目し、職人による手延べ製法のこだわりも映し出す構成となっています。
料理人が「保存性を高めるために練りに塩を用いる伝統」があると語り、地方創生につながる食文化の魅力を伝えました。
宮川大輔が堪能!現地でのライブ感
ロケゲストの宮川大輔さんは、施設横のテーブルで地魚をほおばりつつ「旅に出た感がすごい!海の恵みそのものを食べてる」と興奮気味にコメント。
魚介の甘味と弾力に感動し、五島の風景も相まって、笑顔で「もう一杯食べたい」と繰り返す姿が印象的でした。
この場面は現地のライブ感を強く伝え、視聴者にも旅行気分を疑似体験させる演出効果として機能しています。
佐賀の職人技—伝統鍛冶・造船技術の継承
佐賀県の三重津海軍所跡周辺では、幕末から明治にかけて導入された西洋式の鍛冶や造船技術に光が当てられます。
番組では地元の職人が、旧来の海外製工具を用いて金属を鍛える様子を映像で追い、その精密な手作業が当時の技術水準を物語ると解説。
石原さんは「釘一本にも、当時の技術者の誇りが垣間見える」と述べ、宮川さんも「まるで生きてるように金属が変わっていく」と感嘆。
使われた工具や素材の由来、技術継承の難しさにも触れ、単なる展示紹介ではなく「人が育む文化」を深掘りしました。
まとめ:番組を通じて感じた“日本探求”の価値

「火曜の良純孝太郎SP 軍艦島」は、石原良純さんと小泉孝太郎さんの初タッグによる、“知的旅バラエティ”として大変意義深い内容でした。
良純さんが15年間にわたり見続けてきた軍艦島の変化を、貴重なアーカイブ映像と最新の現地映像で巧みに重ねる演出は、廃墟という単なる風景を“生きた歴史”へと昇華させました。
さらに、ヘリから一気に巡る九州5県の世界文化遺産—三池炭鉱・三池港、三重津海軍所跡、旧集成館、八幡製鉄所、小菅修船場跡など—は、地上では得られないスケール感と歴史の繋がりを立体的に理解させ、産業革命から現代への日本の歩みが体感できる構成でした。
地元・長崎の五島列島では、新鮮な海鮮と五島うどんという“食”から、その地に根付く風土や暮らしを描き、加えて佐賀での伝統鍛冶・造船技術を通じて“人の営み”という視点が加わることで、歴史と文化、自然が見事に融合されています。
SNSでも多くの視聴者から「廃墟の迫力に圧倒された」「スケールがすごい」という反応が寄せられており、幅広い世代に響く内容であったことが伺えます。
番組は、単なる“観光番組”ではなく、文化遺産の「保護」と「継承」へ視聴者の関心を自然に促す構成になっており、「日本の今と未来を考えるきっかけ」として大きな価値があったと感じます。
ぜひ、放送を機に実際の遺産を訪れたり、保存活動に関わるツアーに参加してみてはいかがでしょうか?
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