2025年6月8日(日)放送のテレビ朝日「相葉マナブ ~魅力いっぱいの三崎をマナブ!~」では、神奈川県三浦半島・城ヶ島を舞台に、「幻の野菜」と称される希少な在来野菜が特集されました。
番組冒頭、ロケ隊は山道を登り、海辺の段々畑へ。
そこで耕作される数種類の野菜—城ヶ島ソラマメ、正月菜、草ネギ、城ヶ島サトイモの存在に対し、相葉雅紀さんや共演者たちは「畑の規模が小さい」「味が濃厚」と驚きの声をあげました。
これらの野菜は一見地味に見えるものの、種子は地元農家の手による自家採種で代々受け継がれており、大量生産には向かないため、市場ではほとんど見かけません。
そのため「幻」と呼ばれる所以です。
番組ではさらに、ロケ地の風景、メンバーのリアクション、そして収穫してすぐに調理された料理までを通じて、これらの野菜がいかに地域に根ざし、独特の味わいを醸し出しているかが鮮明に描かれています。
この記事では、「相葉マナブ」で紹介されたこれらの“幻の野菜”について、以下の点をしっかり解説します。
- 幻の在来野菜とは具体的に何か
- その希少性・栽培背景
- 番組内での描かれ方やリアクション
- 地域農業との関係、観光や体験プランとの相乗効果
番組の内容を補足しながら、城ヶ島という地域に根付く伝統と味を多角的に理解し、読者が「幻の野菜」への興味を深められるよう、丁寧にご案内します。
城ヶ島で栽培される幻の在来野菜とは

城ヶ島ソラマメ
城ヶ島ソラマメは、三浦市三崎町城ヶ島で古くから自家採種され続けてきた在来種のそらまめです。
他品種と比べると背丈は低く、葉やさやも小ぶりで、収量が少ないのが特徴です。
しかし、島特有の鉄分豊富な土壌が、味に濃厚なコクと旨味を与えています。
この希少性ゆえに「幻の野菜」と呼ばれ、一般市場ではほとんど見かけません。
栽培できる農家も限られるため、相葉マナブの取材ではその希少性と味の深さが強調されていました。
城ヶ島正月菜
城ヶ島正月菜は、小松菜に近い洋種のナバナ系野菜ですが、餅菜とは由来が異なります。
島の農家が「正月雑煮」に使うため、12月下旬から1月にかけて栽培してきた伝統が継承されています。
葉もとうも柔らかく、冬の寒さに耐える耐寒性と、雑煮に深い緑色とほのかな甘みを加える点が魅力です。
栽培面積は限られ、地元消費中心のため非常に入手困難な野菜です。
城ヶ島草ネギ
城ヶ島草ネギは、分けつ(枝分かれ)の多い葉ネギで、土寄せを行わない島の栽培方法により軟白部が短く、茎全体が緑色の、いわば“青ネギ”に近い姿です。
見た目は、埼玉県岩槻の在来ネギに似ていますが、城ヶ島で独自に育まれてきました。
島民は畑の端や露地でこれを育ててきたため、量も少なく市場に出ることはほぼありません。
薬味として使うには香りと甘味が鮮明で、料理に風味を添える存在です。
城ヶ島サトイモ
城ヶ島サトイモは、地元では「白芽」と呼ばれ、関東で一般的な「土垂(どだれ)」に形状が似ているものの、島特有の自家採種でしか育てられない在来品種です。
特徴は粘りが強く、島内では煮物や汁物に適すると重宝されてきました。
昭和世代の島民が「子から孫へ」と種を引き継ぎ、感染病や気候変化に耐えながら保存されてきたため、現在もごくわずかな家庭農家でしか栽培されていません。
サトイモも希少!地元自給型栽培の実態

城ヶ島サトイモとは?
城ヶ島で「白芽」として親しまれているサトイモは、関東によく見られる「土垂(どだれ)」に似ているものの、独立した在来品種として島内で受け継がれてきました。
神奈川県種苗共同組合の資料によれば、この品種は粘りが強く、煮物や汁物に入れると味がしっかりしみ込み、舌触りも滑らかになるのが特徴です。
一般的な品種よりもやや小ぶりですが、その分、味に深みがあると島の料理人や地元住民に評価されています。
栽培方法と食味の特徴
このサトイモは自家採種によって代々保存されており、肥料や農薬を極力抑えた自然寄りの栽培が行われています。
種イモは前年に収穫した中から厳選され、病気や形の良いものを次世代の種芋として保存するという手間ひまかけた方法が特長です。
粘りとねっとり感が強く、鍋や煮ころがしにすると種芋由来の甘みと風味が際立ちます。
生産者の取り組み
城ヶ島でサトイモを育てる農家は、数軒に限られており、その多くが家族経営や兼業農家です。
彼らは畑での種芋選別から栽培、収穫、保存まで一貫して手作業で行っており、地域の食文化として家族やコミュニティに届けられてきました。
また、神奈川県種苗共同組合などを通じて在来種としての価値が見直され、固定種保全の活動にも一部参加しています。
“幻”と呼ばれる理由とは

自家採種による継承性
城ヶ島の在来野菜は、玄関先や小さな畑で、農家自身が種を採取し保管して次の年に播く「自家採種」によって世代を重ねてきました。
農水省も「伝統野菜は固定種として、自家採種によって継承されてきた」と位置付けています。
特に城ヶ島ソラマメなどは一方交配種(F1種)とは違い、自家採種できる希少性が高く、地域の風土に適応しながら独自の風味を醸し出しています。
生産者の高齢化と栽培面積の縮小
三浦半島の農業では、70代以上の高齢農家が多く、後継者不足が深刻です。
城ヶ島でも例外ではなく、耕作できる畑が年々減少しており、幻野菜が育つ畑も極めて少数。
高齢の生産者が中心のため生産量が安定せず、その希少性が「幻」の称号に拍車をかけています。
地理や市場流通との関係
城ヶ島は1960年まで半島一体だったとはいえ、橋ができるまではほぼ隔絶した環境で、流通路も限られていました。
そのため、これらの野菜は市場に出るには非常にハードルが高く、希少価値が増しています。
加えて、大消費地に向けた大量生産には向いておらず、地元消費や直売所でしか見られないため、あらゆる面で「幻」を裏付けています。
相葉マナブ 放送回解説

ロケ地・畑の風景
今回の「相葉マナブ」では、三崎の城ヶ島にある小規模な畑がロケ地として登場しました。
出演者は山道を登った先に広がる段々畑に足を踏み入れ、海風にさらされる独特の環境の中で在来野菜が栽培されている様子を目の当たりにしました。
その景色は波の音と潮の香りが背景にある「島の暮らし」を感じさせ、視聴者にも「自然との共生」を直に伝える印象的な演出となっていました。
相葉くんらのリアクション
畑に入った相葉雅紀さんや他のメンバーは、まず「幻」という言葉に驚きを示し、その後に小さな野菜を見て「これが野菜!?」「味が濃い!」「香りがすごい」とリアクションしていました。
特に相葉さんは一つひとつの野菜を手に取りながら「島の風を感じる味」と表現し、印象的なコメントを残しています。
これにより「幻の野菜」の希少性やユニークさが番組を通じてわかりやすく視聴者に伝わりました。
幻野菜を使った料理の味わい
収穫後の野菜は、その場で簡易調理され、相葉さんが味わっていました。
城ヶ島ソラマメはさやを軽くグリルする形で提供され、濃厚な豆の甘みと海のミネラルが調合された独特な味わいがコメントされました。
同様に草ネギは薬味として振る舞われ、その爽やかな香りと甘さが料理を引き立てていると評価されています。
これらのシーンは、在来野菜が地域性と相性よく調理に活かされる様子を具体的に示す好例となっています。
三崎・三浦エリアの農産物と観光スポット

幻の三浦大根など他ブランド野菜紹介
三浦半島を代表する「三浦大根」は、大根の出荷量全体の1%程度しか栽培されていない希少品種であり、「幻の大根」として知られています。
地元では年末のわずか3日間のみ出荷される貴重品で、そのサイズは長さ約60 cm、重さ3~8 kgにも達するのが特徴です。
甘みが強く、煮崩れしにくいためおでんや煮物に最適と地元でも高評価です。
また、紅芯大根や春キャベツなど、ミネラルを含んだ潮風豊かな気候で育つ三浦野菜には、甘さや食感に地域性を感じさせる魅力があり、地産地消のイベントや地元カフェで積極的に活用されています。
城ヶ島の観光名所とセットで訪れるポイント
三崎港に隣接する「うらりマルシェ」2階の直売所「やさい館」には、地元200軒の農家が育てた旬の三浦野菜が集まり、海を眺めながら買い物が楽しめます。
また、三崎口駅からバスで約15分の城ヶ島では、波打ち際や絶景ポイントが点在し、野菜収穫のあと散策や地元グルメを楽しむプランが人気です。
地元ガイドによる島内散策ツアーも開催されており、自然環境と農業文化を同時に体験するスタイルが注目されています。
地元直売所や体験プラン
三浦・三崎エリアでは、直売所「すかなごっそ」(横須賀)も人気で、新鮮野菜や珍しい品種が朝に届き、箱いっぱいに並びます。
栽培体験型プランがある農園もあり、枝豆やとうもろこし、ブルーベリーなどを収穫できるほか、収穫後その場で食べる「現地食体験」も提供されています。
例えば岩崎ファームでは「幻のとうもろこし」「甘々娘」と呼ばれる三浦甘ちゃんが栽培されており、生でも食べられるほど糖度が高く、市場にほとんど出回らない希少品です。
収穫イベントや農園カフェと連動した体験は、観光と地域農業をつなぐ取り組みとして地元でも広まりつつあります。
まとめ
「相葉マナブ」に登場した三崎・城ヶ島の“幻の野菜”は、全て地元農家が代々自家採種で守り続けてきた在来品種であり、その希少性と特有の味わいが注目を集めています。
本記事では、城ヶ島ソラマメ・正月菜・草ネギ・城ヶ島サトイモという4品種を詳述しましたが、これらの野菜はどれも規模が小さく、市場にはほとんど出回らないため“幻”と称される理由が明確です。
特に注目したいのは、城ヶ島の在来野菜はすべて農家が種から保存し、環境と伝統を維持しながら丁寧に育てている点です。
農家の高齢化や耕作面積の減少もあいまって、今では生産が限られた“幻の一品”となっています。
番組では、相葉雅紀さんをはじめメンバーが実際に畑へ入り、目と舌でその価値を実感するシーンが映され、視聴者にも地元農業の魅力と苦労がしっかり伝わっていました。
収穫した野菜の即席調理も行われ、城ヶ島ソラマメや草ネギがもつ香り・甘味・濃さが鮮明に表現されました。
また、三崎や三浦半島全体では、三浦大根や横須賀ブロッコリーなど、他の地域ブランド野菜も注目されており、城ヶ島の“幻の野菜”も含めて、地元直売所や収穫体験、観光地として繋がる動きが進んでいます。
特に「やさい館」などでは地元農家が旬野菜を提供し、城ヶ島観光とのセットで訪れるモデルが注目されています。
個人的には、この城ヶ島の在来野菜群は、「食」と「地域文化」「自然環境」が密接に繋がっている好例だと感じました。
希少であるがゆえの“幻”の味わいを、ぜひ多くの人に体験してもらいたいと思います。
番組を通じて、消費者が地元の農家を応援し、次世代へつながる循環が広がる起点になればと願います。
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