宇宙──それはいつの時代も、人類の夢と冒険が込められたフロンティアです。
私たちはテレビやインターネットで、ロケットの炎や宇宙ステーションへのドッキングなど「上がっていく」映像を当たり前のように目にしてきました。
しかし、考えてみれば──「宇宙から地球へ帰ってくる」瞬間を、きちんと見たことがありますか?
その場面こそが、今回の特番 そう言われたら見たことない(2025年11月20日放送予定)で初めて主要テーマとして取り上げられる「見たことない」領域なのです。
この番組では、3度の宇宙飛行と複数種類の帰還を経験した宇宙飛行士 野口聡一 さんが、自らの体験を元に「宇宙飛行士が地球へ戻る本当の瞬間」を語ります。
ロケットの打ち上げシーンは数多く見られますが、帰還シーン──大気圏に突入し、機体が摩擦熱に包まれ、パラシュートが展開して地上/海上に着陸する一連の流れ──は、技術・安全・機密性の観点から映像として極めて少数しか公開されていません。
番組告知でも「宇宙飛行士が地球に戻る超レア瞬間」と明記されており、まさに「そう言われたら見たことない」テーマそのものです。
本記事では、「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」というキーワードで検索した皆さんに向けて、この番組で紹介される“宇宙飛行士の帰還映像”の意義や、野口さんが語る現場のリアル、そしてその瞬間がこれからの宇宙時代にどんな意味を持つかを、最新の情報をもとに丁寧に解説していきます。
誰もが「見たことない」と感じるその瞬間を、一緒に“見たことある”に変えていきましょう。
『そう言われたら見たことない』とは?番組概要と放送情報

番組コンセプト「言われてみれば見たことない」貴重映像とは
『そう言われたら見たことない』は、そのタイトル通り「言われてみると、確かにちゃんと見たことがない」瞬間や裏側を、映像でまとめて見せてくれるTBSの2時間特番です。
公式サイトでは、日常で目にする出来事や人気コンテンツの“ウラ側”にある希少な映像を集めたバラエティとして紹介されており、「宇宙」「スポーツ」「動物」「人気ドラマ」など幅広いジャンルの“見たことない”映像が次々と登場するとされています。
視点のポイントは、「よく知っているつもりのものを、知らない角度から見せる」ことです。
たとえば大ヒットドラマ『VIVANT』の撮影現場に密着した約150時間分のメイキング映像から、モンゴルロケでの“動物との撮影方法”や、俳優の体当たりアクションの舞台裏など、通常の放送ではまず流れないカットがまとめて紹介される予定です。
また、世界陸上の“忘れられないハプニング”や、巨大動物の貴重な寝姿、チートデイに密着した「食いしん坊女子は1日でどれだけ食べるのか」といった企画も並びます。
いずれも、「本編は見たことがあっても、この場面は見ていない」というギャップを楽しませる構成です。
番組を通しての役割を担うのが、審査員長でもあるMC・松田元太さんです。
スタジオに集められた映像の“衝撃度”や“レア度”を、松田さんが独自の感覚でジャッジし、最後に「MMM(松田がもっとも見たことない映像)」を1本選び出す企画になっています。
公式サイトや各種記事では、松田さんの“自由すぎる”コメントやボタンの押し方に、共演者が振り回される収録現場の空気感も紹介されており、映像そのものだけでなくスタジオリアクションも含めて楽しめる番組構造になっていることがわかります。
この中で検索キーワード「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」に直接関わるのが、「宇宙飛行士が地球へ帰還する衝撃映像」のパートです。
ロケットが宇宙へ飛び立つ場面はニュースなどで頻繁に流れますが、「宇宙から地球へ戻ってくる瞬間」をじっくり見る機会はほとんどありません。
番組では、まさにその“帰還シーン”にフォーカスした貴重な映像を用意し、3度の宇宙飛行を経験した宇宙飛行士・野口聡一さんが、自身の体験を交えながら解説することが事前情報として明かされています。
宇宙飛行士の過酷さや、大気圏再突入のリスクなどをリアルに伝えるこの企画こそ、「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」という検索意図に最も応えるコーナーと言えるでしょう。
放送日時・放送局・配信(TBS系&TVerなど)のチェックポイント
『そう言われたら見たことない』は、2025年11月20日(木)よる8:00〜10:00にTBS系全国ネットで放送される2時間スペシャルとして編成されています。
TBSの番組表ページや番組特設サイト、各種テレビ情報サイトでも同じ日時・枠で告知されており、ゴールデンタイムの一夜限りの特番として扱われていることが確認できます。
視聴方法としては、地上波のTBS系各局での放送に加えて、TBS公式ページからリンクされている「TBS系リアルタイム配信(TVer)」での同時配信が予定されています。
番組情報には、TVerのリアルタイム配信ページへのリンクや「TBS FREE」といった関連サービスへの案内が掲載されており、インターネット経由でもリアルタイム視聴が可能な構成です(視聴可能エリアや通信環境などは各サービスの利用条件に依存します)。
また、X(旧Twitter)のTVer公式アカウントなどでも、11月20日20時からのリアタイ視聴を呼びかける投稿が出ており、地上波とネット配信の両方で「この時間に一斉に見てほしい」というプロモーションが展開されています。
宇宙飛行士の帰還映像を含む各企画は、この2時間の特番の中に詰め込まれているため、「どこで宇宙パートが来るか分からない」という意味でも、最初から通して視聴しておくのが安心です。
なお、放送後の見逃し配信やアーカイブ配信の有無・期間については、現時点では番組情報ページに明記されていないため、視聴したい場合はTVerなどの公式ページで最新の配信状況を確認する必要があります。
MC若林正恭×松田元太&スタジオゲストの顔ぶれ
MCを務めるのは、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭さんと、Travis Japanのメンバーである松田元太さんの2人です。
若林さんはこれまで多くのバラエティ番組でMCや司会進行を務めてきた経験豊富なツッコミ役。
一方の松田さんにとっては、今回がバラエティ番組での初MCとなり、番組の“顔”として進行と審査員長の両方を担うことが大きなトピックとして紹介されています。
スタジオには、松田さんの事務所の大先輩である坂本昌行さんをはじめ、バラエティでおなじみの山崎弘也さん(アンタッチャブル)、毒舌と親しみやすさで人気の大久保佳代子さん(オアシズ)、そしてママタレ・芸人として活躍する横澤夏子さんがゲストとして参加します。
公式情報やテレビ情報サイトでは、松田さんの“自由すぎる審査”やコメントに、坂本さんを含むゲスト陣と若林さんが振り回される様子が見どころとして語られており、スタジオの掛け合いが番組全体のテンポを作っていることが分かります。
そして、「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」というキーワードに直結するのが、VTRゲストとして登場する宇宙飛行士・野口聡一さんです。
TBSの番組情報によると、野口さんは「宇宙飛行士が地球へ帰還する衝撃映像」を自身の実体験を交えて解説する役割で出演し、ロケットの大気圏再突入の危険性や、宇宙飛行士がどのような環境・負荷の中で地球に戻ってくるのかをコメントする予定です。
このほか、芸人のゆってぃさんや“食いしん坊女子”として紹介されているりっかちゃんもVTRゲストとして名前が挙がっており、宇宙・スポーツ・グルメといった多様な企画が、MCコンビとスタジオゲスト陣のリアクションとともに展開される構成になっています。
宇宙飛行士パートの見どころ:地球帰還の「超レア瞬間」

ロケット打ち上げは有名、でも「帰還映像」はなぜレアなのか
宇宙飛行に関する映像といえば、ロケットの発射シーンが圧倒的に多く流通しています。
打ち上げ時の爆音、炎を吹き上げる発射台、観衆が手を振る姿――こうした映像はニュース番組やSNSでも日常的に見かけるものです。
しかし、“宇宙から地球へ帰還する瞬間”にフォーカスした映像は圧倒的に少ないのが現実です。
その理由としてまず挙げられるのが、技術的制約と安全管理の厳しさです。
たとえば、帰還時には極めて高温のプラズマが機体を取り巻く大気圏再突入という極限的な状況が生じます。
映像機器を耐熱構造にする必要があるほか、飛行士・機体双方の安全確保を最優先としたため、一般公開に至る映像は限られます。
さらに、国際宇宙ステーション(ISS)からの帰還や、ロシアのソユーズや米国のクルードラゴンなど航行体による帰還には、ロケット発射に比べると“地球に戻る”プロセスの撮影・編集・公開までが複雑で、公開映像として視聴者の目に届く受け皿が少ないという事情があります。
番組公式サイトでも、冒頭で「ロケットが宇宙へと飛び立つ映像は見たことあるが、宇宙から地球へ帰還する映像は『そう言われたら見たことない』」と明記されており、この“帰還映像”が企画の核心であることが示されています。
番組で紹介される「宇宙飛行士が地球へ帰還する衝撃映像」の内容整理
番組『そう言われたら見たことない』の告知によれば、注目の映像コーナーは「宇宙飛行士が地球に戻る超レア瞬間」と明記されており、MCの若林正恭さん/松田元太さんコンビが司会を務め、VTRで紹介された映像をスタジオで解説・審査する構成です。
映像の内容としては、以下のような構成が想定されます。
- 高度数百キロメートル上空にあるISSからの分離・帰還モジュール切り離しの瞬間
- 大気圏再突入時、機体表面が高速で摩擦熱を受けてプラズマ化する様子(流れ星のような尾を引く光跡として撮影された例あり)
- パラシュート展開、減速、最終的に地上・海上に着水/着陸する帰還モジュールの決定的瞬間(たとえば、2021年5月に実施された米国のクルードラゴン宇宙船「レジリエンス号」の帰還など)
- 映像と合わせて、3度の宇宙飛行経験を持つ宇宙飛行士 野口聡一 さんの“体験に基づいた解説”が付されており、「自分が着陸した時に感じたG フォースの変化」「視界外から見える大気圏の発光」「帰還後、地上へ降りてからの数時間の身体回復プロセス」
など、映像だけでは伝わらない細かい体験談が番組内で紹介されることが報じられています。
スタジオではこの映像を“どれだけ見たことがないか”“驚きの度合い”という視点で審査対象とし、映像の驚きポイントや解説の裏話(例:戻ってくるときに飛行士の身体はどれだけ変化しているか)を若林さん・松田さん・ゲストがトークする構成です。
スタジオトーク&審査員長・松田のリアクションのポイント
番組の見どころの一つとして、スタジオでの“リアクション”が挙げられます。
MCの若林正恭さんは安定した司会進行役として番組を引っ張っていき、松田元太さん(Travis Japan)は今回がバラエティ番組初のMCということで、企画上“審査員長”として映像を評価する役割を担っています。
松田さんは「もっとも見たことない映像=MMM(More Mita koto Nai Movie)」という称号を自ら定め、各映像に対して点数やコメントをつける形式をとることが予告されています。
これにより、ただ映像を流すだけでなく、「どこが見たことないのか」を視聴者と共に言語化していく構成になっています。
さらに、ゲスト達(坂本昌行さん・山崎弘也さん・大久保佳代子さん・横澤夏子さん等)との掛け合いでは、「宇宙飛行士の帰還って怖い…」「こんな大気圏を突っ切るって実感したことなかった」「リビングで映像見ててもゾっとした」といったリアルなコメントが飛び交うと紹介されています。
このような“映像+体験談+スタジオ反応”の構成は、単なる“レア映像特集”にとどまらず、視聴者に「自分も今まで見ていなかったものを見た」という気付きを与える作りになっており、まさに検索キーワード「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」の検索意図、「宇宙飛行士が見せる“帰還瞬間”を知りたい/体験したい」というニーズに応える内容と言えます。
解説役・宇宙飛行士 野口聡一とは?3度の宇宙飛行と3種類の帰還

野口聡一のプロフィールとJAXA宇宙飛行士としての歩み(生年・出身・学歴など)
野口聡一氏は、1965年4月15日、神奈川県横浜市に生まれました。
学歴では、東京大学大学院工学系研究科航空学専攻修士課程を修了しており、1991年には修士号を取得しています。
卒業後は、石川島播磨重工業(現 IHI )で研究開発部門に就職し、その後1996年5月に当時のNASA候補として選抜された旧 NASDA(後の JAXA )宇宙飛行士候補に任命されました。
宇宙飛行士養成においては、1996年8月から米国の NASA ジョンソン宇宙センターにて訓練を開始し、1998年4月にはミッション・スペシャリスト(Mission Specialist)として認定を受けています。
宇宙飛行士としての最初のミッションは、2005年7月26日からの STS-114 スペースシャトル「ディスカバリー号」による ISS 組み立てミッションで、ここで日本人として初めて船外活動(EVA)を実施しました。
その後、野口氏は長期滞在ミッションを経て、2020年11月には米国・商業クルー船 Crew-1 (Crew Dragon Resilience)で宇宙へ赴き、2021年5月2日には日本人宇宙飛行士としても注目された海面着水による帰還を成功させました。
なお、近年の報道では、野口氏が「世界で初めて3種類の帰還モード(滑走路着陸・海面着水・地面着陸)を達成した宇宙飛行士」として、ギネス世界記録2部門に認定されたことが紹介されています。
ディスカバリー、ソユーズ、クルー・ドラゴン――世界初「3種類の宇宙帰還」の実績
野口聡一氏の帰還実績の中で、特筆すべきは「3種類の異なる帰還手段を経験した」点です。
まず、2005年の STS-114 ミッションでは、米国 スペースシャトル 「ディスカバリー号」で飛び、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターの滑走路着陸を実施しました。
これは日本人宇宙飛行士として初の宇宙飛行であり、船外活動を伴うミッションでした。
次に、2009年12月21日から20010年6月2日にかけての ソユーズ TMA-17 / 21S ミッションでは、ロシアの宇宙船 ソユーズ にて帰還し、カザフスタン共和国に地上着陸しました。
日本人宇宙飛行士としてソユーズ搭乗、そして長期滞在からの地上着陸を経験した貴重な事例です。
そして最後に、2020年11月に打ち上げられた Crew Dragon Resilience (Crew-1 ミッション)からの帰還では、2021年5月2日に米国フロリダ州パナマシティ沖のメキシコ湾に着水する形で帰還しました。
これにより、海面着水という帰還形式をも経験しています。
この三つの帰還形態(滑走路/地上/海面)をそれぞれ経験した宇宙飛行士は世界でも極めて少なく、報道によればこの実績により野口氏は「3種類の違う帰還を達成した宇宙飛行士」としてギネス世界記録に認定されています。
このような経路を持つことにより、番組『そう言われたら見たことない』で「宇宙飛行士・野口聡一」が“帰還”を語るにあたって、非常に貴重な視点と体験を持っていることが明らかです。
宇宙から地球へ帰るとき、宇宙飛行士は何を体験しているのか(大気圏再突入の危険や身体への負荷)
野口聡一氏が語る「宇宙から地球へ帰る瞬間」の体験は、私たちが目にしない部分が数多くあります。
大気圏再突入時には、機体外部が秒速20 km を超える速度で地球に向かって突入し、摩擦により数千度の熱を発生させます。
実際、ソユーズ 21S 帰還の際には「高度約140 kmで帰還モジュール他区画と分離し、約11 km上空でパラシュートを開き、カザフスタン共和国へ着陸」という流れが公式に記録されています。
野口氏は 2023年のインタビューにて、「地球が青く見えたと思った瞬間、次の瞬間には視界外で高温のプラズマが機体に迫っていた」と振り返っています。
実際に帰還のための軌道離脱、減速、パラシュート展開というプロセスを経て、体にかかるG フォースは飛行時とは比べものにならず、帰還カプセルの中では“重力回復”による頭痛や体調不良が報告されています。
ここには、見たことない映像が捉えた“静寂”と“緊張”の両面が潜んでいます。
さらに、海面着水形式では、海水との接触・揺れ・救助船乗り込みなど帰還直後のプロセスが加わります。
2021年5月の Crew-1 帰還時、野口氏ら4名は着水直後に回収船へ移乗し、その後ヨットでの移動、飛行機での移送を経てジョンソン宇宙センターへ戻りました。
このような体験を裏付ける映像を番組で紹介することで、視聴者は「見たことない宇宙飛行士の帰還の瞬間」にリアルな理解を深めることができます。
そして、野口氏が“経験者”として語る解説は、単なる映像鑑賞を超えた「現場の肌感覚」を伝える価値あるものです。
なぜ宇宙飛行士の“帰還”が「そう言われたら見たことない」のか

技術的・安全上の理由で一般公開されにくい映像の事情
宇宙船が地球へ帰還するプロセスは、ロケットの打ち上げ以上に「繊細で危険な工程」が連続します。
たとえばアポロ11号の帰還では、地球に戻る直前に司令船とサービスモジュールを分離し、その後司令船だけが大気圏へ再突入しましたが、このときサービスモジュール側は衝撃でバラバラになって燃え尽きています。
また、多くの人工衛星や探査機では、人口の少ない海上に破片が落ちるよう軌道を細かく計算して再突入させるなど、「どこに落とすか」まで含めた安全設計が徹底されています。
欧州宇宙機関(ESA)の衛星クラスターも、人口密度の低い海域に破片が落ちるよう軌道調整を行ったうえで、大気圏再突入させる計画が紹介されています。
有人宇宙船でも同様で、ソユーズやクルー・ドラゴンの帰還時には、高温のプラズマに包まれる再突入フェーズや、パラシュート展開・最終減速など、ミッションの成否を左右する工程が続きます。
そのため、機体内部・制御システム・手順の細部は各国や企業にとって機密性が高く、すべてを高画質映像として公開するわけにはいきません。
実際、SpaceXクルー・ドラゴン内部の「再突入中のフル映像」を見たいという声に対し、一般公開されているのはごく一部であり、通信途絶区間もあるため、完全版が公開されていないと指摘する議論もあります。
もちろん、最近ではNASAがCrew-9ミッションの減速・スプラッシュダウンをライブ配信するなど、外側から撮影した映像は積極的に公開されるようになっています。
しかし、「機体のどのパネルがいつ外れるか」「具体的にどの高度でどの操作をしているか」といった詳細は、依然として専門家向けの技術情報やシミュレーションの中にとどまりがちです。
こうした事情が重なり、打ち上げ映像に比べて“宇宙飛行士が帰ってくる瞬間を、途中から最後まで連続して見せる映像”は圧倒的に少なく、「そう言われたら見たことない」と感じる人が多い状況につながっています。
まさに番組が狙う「宇宙飛行士の帰還映像」がレアとされる背景には、こうした安全・機密・技術上のハードルが存在していると言えます。
ISSや帰還カプセル内部の映像が持つ教育・科学的価値
一方で、宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション(ISS)内部の映像や、カプセル内での様子は、教育・科学の場では非常に重要なコンテンツとして活用されています。
JAXA宇宙教育センターは、ISS滞在中の星出彰彦宇宙飛行士や古川聡宇宙飛行士が行った実験映像をもとに、「人間の身体のつくり」「回転運動の不思議」「物体の重さと質量」「宇宙環境での生活」といったテーマの教材を制作し、学校現場での授業用DVDやYouTube動画として公開しています。
これらの教材では、無重力下での水の挙動、体のバランス感覚の変化、物体の質量は変わらないのに「重さの感じ方」が変わることなど、地上では再現しにくい現象を宇宙飛行士が自ら実演しています。
さらに、船外活動中の飛行士とISS内部、地上の管制室との間でどのようなコミュニケーションが行われているのかをテーマにした教育動画もあり、「限られた時間・環境の中で、どう情報共有し、問題を解決していくか」を学ぶ素材としても使われています。
こうした“ISS内部の日常”や“カプセル内での動き”は、単なる「珍しい映像」ではなく、物理・生物・コミュニケーション教育など、多くの教科内容と直結する具体的な例として機能します。
JAXAの資料でも、ISS利用が生命科学や物質科学など最先端研究の場であるだけでなく、教育やアウトリーチにも重きを置いていることが示されています。
今回の番組で扱われる「宇宙飛行士が地球へ帰還する衝撃映像」も、本質的には同じ延長線上にあります。
大気圏再突入時の機体挙動や宇宙飛行士の体への負荷、着水・着陸後の対応などは、物理・工学・医学・安全工学のリアルな教材になり得るテーマです。
これまでは専門家向けの資料や講演の中で語られてきた内容を、一般の視聴者がわかる映像としてまとめて見られる点に、この企画の教育的価値があると言えるでしょう。
これから宇宙旅行時代に向けて増えていくかもしれない「帰還映像」の可能性
さらに先を見据えると、「宇宙飛行士の帰還映像」は、今後の宇宙旅行ビジネスの広がりとともに、一般の人が目にする機会が増えていく可能性があります。
サブオービタル型の宇宙旅行を提供するヴァージン・ギャラクティックは、2023年に初の商業飛行を成功させ、その後7回のミッションを実施しましたが、現在は2026年以降に投入予定の次世代機「Delta」開発に注力するため、2024年6月から運航を一時停止していると報じられています。
同社のフライト映像では、無重力体験中だけでなく、上昇から再突入・滑走路着陸までの様子がプロモーション素材として公開されており、「宇宙から戻ってくる」体験が映像コンテンツとして重要視されていることが分かります。
宇宙旅行市場全体を見ても、2023年時点で世界の市場規模は約8.9億ドルとされ、2030年には100億ドル規模へ急成長すると予測する調査もあります。
ブルーオリジンや日本発の岩谷技研など、有人サブオービタル飛行や成層圏ツアーを目指す企業も増えつつあり、今後は「研究者や宇宙飛行士だけでなく、民間人が宇宙から戻ってくる映像」がマーケティングや安全性の説明のために、より多く公開されていくと考えられます。
ロケット・宇宙船側でも、SpaceXのStarship試験機が大気圏再突入時の機体の発光や地球の地平線を捉えたオンボード映像を公開するなど、「再突入そのもの」を見せる試みが進んでいます。
NASAとSpaceXがCrew-9などの帰還をライブ配信する流れも合わせて考えると、再突入や着水・着陸シーンが、今後ますます“宇宙旅行の見せ場”として映像化されていくのは自然な流れと言えるでしょう。
そう考えると、TBSの『そう言われたら見たことない』が、現時点でまだ貴重な「宇宙飛行士の帰還映像」を特集するのは、ちょうど“転換点”にあるテーマを先取りしているとも言えます。
今はまだ「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士の帰還」ですが、宇宙旅行時代が本格的に到来すると、「自分が乗るかもしれない宇宙船は、どうやって地球に戻ってくるのか」を確認するための、身近な映像になっていくかもしれません。
その意味でも、野口聡一さんのように3種類の帰還を経験した宇宙飛行士が語る解説は、これからの“宇宙旅行時代”を考えるうえで、非常に示唆に富んだ内容だと言えるでしょう。
まとめ

「そう言われたら見たことない 宇宙飛行士」という検索キーワードの背景には、“ロケット打ち上げはよく見るのに、宇宙飛行士が地球へ帰ってくる瞬間は見たことがない”という、多くの人が共通して抱いている“気づき”があります。
今回の特番『そう言われたら見たことない』は、まさにその“空白の部分”を埋める企画であり、宇宙飛行士・野口聡一さんが3度の帰還経験を持つ唯一無二の解説者として登場することで、視聴者にとって大きな学びと発見のある内容になっています。
番組で紹介される帰還映像は、一般には公開されにくい大気圏再突入の瞬間、プラズマに包まれる機体、パラシュート減速、そして着陸・着水直後の動きまで、“安全性・機密性・技術的ハードル”の高さゆえにほとんど映像化されてこなかった領域です。
その意味で、今回の特集は「宇宙飛行士がどのようにして地球へ帰ってくるのか?」という、多くの人が“見たいのに見られなかった部分”を解き明かす貴重な機会だと言えます。
さらに、野口さんが自身の体験を基に語る、大気圏再突入時のG負荷や心理状態、帰還後の身体の変化など、映像だけではわからない“現場感”は非常に価値があります。
これらはエンタメとしてだけでなく、教育的・科学的な視点でも意味のある内容です。
一方で、宇宙旅行ビジネスの拡大により、今後は「一般の人が宇宙へ行き、帰ってくる時代」が確実に近づいています。
SpaceXやヴァージン・ギャラクティックが再突入映像を積極公開し始めている現在、地球帰還映像は“レア映像”から“未来の生活に関わる情報”へと役割が変わりつつあります。
今回の特集は、そんな“宇宙時代の入り口”に立つ私たちに対して、「宇宙飛行士はどう帰ってくるのか?」という根本的な疑問に初めて真正面から答える番組と言えるでしょう。
筆者としても、野口聡一さんのように3種類の帰還形式すべてを体験した宇宙飛行士の視点は極めて希少で、宇宙への理解を一段深めてくれると感じました。
「見たことない」を起点に、視聴者が宇宙をもっと身近に感じられる内容になるはずです。

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